KSAL
佐々木健二建築研究所

Practice

Kenji Sasaki Portrait
Kenji Sasaki
Principal / Architect

佐々木健二建築研究所(KSAL)は、広島を拠点に多様な用途・スケールの建築を手がける設計事務所です。

建築を「文化を更新する装置」として捉え、
個々のプロジェクトを通じて、人と都市の関係性や、
社会の深層に沈殿した価値観を静かに書き換えていくことを目指しています。

Concept

建築を、「用途」や「プログラム」の器としてではなく、
社会の奥深くに沈殿した価値観やふるまいを更新する 文化的インフラストラクチャーとして扱っています。

都市に満ちる光や湿度、人の歩行の速度、記憶の重なり、
土地固有の時間の厚み——
こうした“目に見えない構造”を読み解き、そこにわずかな力を加えることで、
人と都市の関係を静かに再定義していくことが、KSAL の建築の起点です。

建築とは、人が世界をどのように理解し、
どのように生きようとするのかを更新し続けるための装置である。
KSAL の建築は、その変化のための最小限の骨格であり、最大限の余白であると考えています。

Architectural Approach

■ 既にあるものを読む

敷地に存在する風の経路、光の軸、地形の癖、街路の連続性、
ふとした場所に滞留する静けさ——
建築は、それら“既にある構造”を読み解く行為から始まります。

形態を押しつけるのではなく、環境のリズムを増幅するように骨格を置くことを重視しています。

■ 構造と空間の不可分性

柱・梁・壁・開口は、単なる構造体ではなく、
空間の意味やふるまいを規定する身体的フレームとして扱います。

開口の高さの数センチ、壁の厚みの数ミリ、光の滞留する位置といった小さな調整が、
人の滞在のリズムや沈黙の深さを決定づけると考えています。

■ 余白をデザインする

明確に決めすぎず、使い手の身体が“場所を発見する”ための余白を残します。
その曖昧さこそが、時間とともに変化し続ける建築の強度になると捉えています。

■ 素材の厚みと光の密度

素材の温度、手触り、光の粒子の密度を、
構造・空間・身体のあいだを調整する媒介として扱います。

建築は最終的に、空気のふるまいをデザインする行為へと還元されていく——
その前提に立って、細部の寸法や素材の選択を行っています。

Context

広島という都市は、地形的な谷と川の多さ、湿度を含んだ柔らかな光、
時間がゆっくり堆積していくような“密度のゆるさ”を持っています。

この環境は、強い形態を要求するのではなく、
人の活動と自然の作用が溶け合うような、可変的で開かれた構造を求めているように見えます。

KSAL の建築は、土地の歴史や固有性を単に引用するのではなく、
その奥に眠る“構造の声”のようなものをすくい上げ、新しい秩序として再配置する試みです。

そこでつくられる空間が、都市と自然、個と集団、過去と未来が
静かに重なり合う場所であり続けることを目指しています。

Studio

KSAL は、小さな改修から共同住宅・ホテル・商業施設、
さらに街区スケールの計画までを横断し、
企画・設計・監理・ブランディングを一貫して行うスタジオです。