KSAL
佐々木健二建築研究所
Project

COMMERCIAL FACILITY IN KUJUKURI

Kujukuri, Chiba / Commercial Facility
竣工年:202X
用途:商業施設(物販・飲食・サービス)
構造:耐火木+RC造(混構造)
規模:9300 m²(仮)
九十九里 商業施設 外観 パース 佐々木健二建築研究所
九十九里 商業施設 中庭とテラス 空間構成
九十九里 商業施設 内部空間 木とRCの混構造
九十九里 商業施設 海と風を取り込む開口計画
九十九里 商業施設 夜景 ライティング計画

Concept

九十九里という広大な海岸線は、水平線の長さ、風の強さ、 光の反射の豊かさが日常的に更新される場所です。 この計画では、そうした「環境そのものが主役となる建築」を目指し、 余計な造形を排しつつ、自然の変化を受け止めるための 最小限の骨格を静かに配置することをテーマとしました。

建築内部を“自然の延長”として扱い、 光・風・人の動きが滑らかにつながるような器をつくることで、 訪れる人が土地の大きさを身体で感じられるような空間を目指しています。

Architectural Approach

「風」と「光」を中心に据えた空間構成とし、 砂丘の地形や海から吹き込む湿った風の流れを読み取りながら、 建築の開口や動線を調整しています。

耐火木造とRC造を組み合わせた混構造とすることで、 自然環境が厳しい九十九里で求められる堅牢性と、 木の持つ柔らかな触感の両立を図っています。

風のルートを設計する

海からの風が抜ける“道”を建物内部に取り込み、 夏場は自然換気が働くように、 冬場は風を遮りつつ光を取り込むように、 季節ごとの環境の変化に寄り添う構成としています。

滞留を生む余白

目的のためだけの動線ではなく、 行き交う人がふと足を止められる“余白”を各所に配置。 商業施設でありながら、九十九里の時間の流れに合わせて ゆるやかな滞在が生まれることを意図しています。

素材の混ざり合い

外部は砂と光に耐える堅牢な素材で整え、 内部は木の温度や粗さをそのまま残すことで、 自然の中で揺らぐような空間のコントラストをつくり出しています。

Context

九十九里は、関東でありながら海と空のスケールが大きく、 人間のスケールが一度小さく感じられるような独特の場所です。 朝夕の光、砂浜の広がり、湿度の変化、風の強さ—— これらが刻々と変化し、建築の存在理由を日々揺さぶります。

計画地周辺は、観光と地域の暮らしが緩やかに混ざり合っており、 ただ消費される観光拠点ではなく、 「地域の時間に開かれた場所」を求めているように見えました。

そこで本計画では、建築が主張しすぎず、 かといって自然に埋没するのでもなく、 “九十九里という環境のリズムを調整する装置”として そっと佇むことを目指しています。

建築はここで、海と砂丘、観光と日常、 居住者と訪問者の境界をぼんやりと溶かし、 行動や滞在の新しいかたちを生み出す媒介となります。